松本駅前の繁華街からも外れている西堀地区。パッと見、どこにそういう店があるのか部外者にはさっぱり判断出来なかったりするような普通の住宅街の一角に、突如として現れるスナック街。松本には横田遊郭というのが松本城の北東側1キロ程の場所にあったのだが、それとは別に戦前から私娼窟があったのがここ西堀である。
オンボロ木造建築な大衆食堂「西堀ホール」の看板がそそられる。この建物の周辺、もしくは裏側一帯にもスナック街があり、日本人に紛れて中国人や台湾人、それから長野ではお馴染み、タイ人の方々も沢山働いておられるそうです。
ある一画だけを除いて完全に普通の住宅街と化した感のある西堀地区だが、ちょっと外れた場所にこんな場末の中華料理屋や焼き鳥もつ煮の店があったりと風情はまだまだ残っていた。でも店の名前がサラリーマンって…
あとはいかにも韓国系な焼肉屋もあるニダよ。ちなみに信州広しと言えども朝鮮学校があるのは松本の長野朝鮮初中級学校だけ。蟻ヶ崎にある旧校舎は廃墟物件として有名です。
西堀ホール脇の勝手口。のっけから怪しい路地裏風景だ。とは言え、昼間訪れてもひと気もなくただただ静寂が支配する空間となっている。
そこを抜けると路地裏のスナック街。割と建物自体は綺麗だが密集具合が異常。どうやら松本にはここ西堀と、大手五丁目「裏町」の二ヶ所が夜の盛り場となっている模様。
「飲んで唄って!!LOVE」だと。この界隈の詳しい仕組みがよく分からないのだが、戸倉上山田温泉みたいな感じでしょうね。いずれにしても教育県が建前の長野らしい裏事情がありそうです。
西堀ホールから路地を挟んだ向こう側にも小さな個人経営のスナックがずらーり。物凄い事になっている。聞くところによるとこうした店ではやっぱり「そういう事」をしている模様。歴史ある私娼窟なんだなという事を実感。
それはいいが、西堀地区最強のミステリーがこの三階建ての妓楼風建築物。どう見ても廃屋のようにしか見えない訳だが、この1階部分が通り抜け出来る通路になっており、さらにこの中にもスナックが密集している。
妓楼風建物1階部分中央を貫く通路に足を踏み入れる。真っ暗な中にスナックの屋号が書かれた照明が天井からぶら下がる。
正面から2階、3階部分を見上げる。人が現役で住んでいるようにはとても見えないが、やっぱり住んでるんですかねこれ。
ちなみにこの建物の正面は今では何の変哲もないマンションに変わっているが、昔は「セントラル座」という映画館の建物がデーンとそびえていた。
妓楼風建物の横は駐車場への入口になっているため、建物の横っ面を拝む事が出来て非常に有り難い。やはり正面と同様、3階部分の窓や建物全体の造りに、赤線地帯のソレを喚起させる。事実戦後も赤線だった訳で、もっともらしい使われ方がしたと考えるのが自然である。
さらに裏手に回ると風情の怪しさは抜群。これで日が暮れた後はどうなることだろう。非常に夜の様子が気になったが…
この場所を夜に訪れると、ご覧の通りの状況となっておりました。こりゃ完全にクロだな…