大津波にも負けない宮城県石巻市・猫だらけの島「田代島」上陸記 (全3ページ)

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以前から気になっていた「猫だらけの島」こと田代島にいつか渡ろうと思っていたのに東日本大震災の大津波で田代島のある宮城県石巻市は洒落にならん被害を蒙り港がズタズタになってしまった。島も津波を被ったものの猫は無事だと聞いていたのだが、当分とても観光客を受け入れられる状態ではなかった。

震災後1年4ヶ月、復興の足音が聞こえてきた石巻の街に我々取材班は訪れていた。田代島へ渡り猫と戯れる為である。田代島へ渡るには石巻港の門脇地区から出ているフェリー(網地島ライン)に乗らなければならない。石巻の街から南東に15キロ、牡鹿半島の先っぽに浮かぶ離島だからだ。

網地島ラインのマーメイド号に乗って田代島へ向かう。片道1200円。岸壁は津波で破壊されてしまい応急的に復旧工事を行った状態で運航している。元通りの1日3便運航に戻ったのも最近の事らしい。復旧状況によって運行時間や経路もコロコロ変わるので来島の場合は要注意。

石巻港を出て田代島までは片道1時間を要する。船上から石巻港の様子を見るのだが震災後1年4ヶ月経っても港には夥しい量の震災瓦礫がうず高く積まれたままになっている。船上まで生ゴミの腐ったような匂いが漂ってくる。

この大量の震災瓦礫を全国の自治体が受け入れる受け入れないという事であちこち揉めている訳だが、震災瓦礫置き場があるのはここだけではない。一つの自治体だけで処分するにはとても無理なのは一目見ても分かる。

船に揺られて居眠りをこいてしまっているうちに田代島の仁斗田港に着いていた。田代島には大泊、仁斗田の二ヶ所に港があるが猫だらけなのは仁斗田のみ。何も島全体が猫島という事はない。港も津波被害の応急処置として嵩上げ工事された跡が見える。

田代島も津波の被害で1メートル以上も地盤沈下を起こしてしまい岸壁も浸水、二ヶ所ある港も容赦なく破壊されてしまっていた。仁斗田港にあった待合所の建物も流されたので、プレハブ小屋が代わりに置かれている。

まだまだ復旧工事の最中にある仁斗田港。島の漁師の生活もようやく元に戻りつつあるといった所か、港は網の手入れを行う島民の姿が目立つ。

猫島だけあって工事用安全柵(単管バリケード)は猫型になっていたり細かい所まで徹底している。結構種類豊富ですよねこの動物シリーズ。キリスト看板や飛び出し坊やに続いて街角コレクションの1ジャンルとして確立しつつある。

島の集落は仁斗田、大泊の二ヶ所しかなく、島民の殆どが漁を生業にしている。かつて昭和三十年代まではマグロ漁で賑わっていた田代島、しかしマグロ漁の衰退とともに人口は千人から百人余りへ、十分の一まで減った事になる。さらに震災後にも人口が減り、実質60人程度しか居ないとも。

あ、漁船の下に第一島猫発見。田代島の猫は確かに無事でした。

漁船の下敷きになった丸太でガリガリ爪研ぎ中の猫。さっきのフェリーで一緒に港に降りてきた観光客がこぞって写真撮影し始めた。

田代島に生息する猫は飼い猫は少なく殆どが野良猫である。吾輩の名前はまだ無い。

島では大事に飼われているとも聞いていたが、どっちかというと放置プレイ気味。外敵となりうる犬の持ち込みは禁じられている。せいぜいカラスに気をつける程度で、島の猫にとっては先祖代々人間は餌をくれる有難い連中と思い込んでいる。そのため人間に対する警戒心は皆無。近づいてもまず逃げません。

したがって島の猫は無尽蔵に繁殖していて、確実に島民よりも猫の方が頭数が多いはずである。しかし実際に島民には猫嫌いの人が意外に多く、可愛がる素振りは全くない。

仁斗田港に隣接する公園は津波に破壊されたまま放置されていた。まずは島民のライフラインを復旧させるのが第一でこういう観光客向けの設備は後回しとなりそうだ。

田代島には仁斗田に6軒、大泊に1軒と合計7軒の民宿が営業していたが震災後営業しているのはわずか2軒だけ。宿泊の予約をしようとその2軒の民宿に連絡したが「網の手入れをしなきゃならんので今日はやってない」と断られてしまう。この島では民宿も漁師が本業だ。島に泊まれる余裕はまだ無さそう。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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