石垣島「栄福食堂」 – 超個性派オヤジの店で食べる「トニーそば」と自家製ピパーチ

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当サイト取材班は2013年春頃に沖縄県内に長期滞在していたのだが、前回(2011年)の訪問では沖縄の離島部の中でも宮古・八重山諸島に行けておらず、心残りだった。今回1週間の予定で行ける事になった訳で、特に石垣島は市街地の規模もでかく見るものも多かったので順次レポートしたい。

石垣島 栄福食堂

日本最西端の市役所やアーケード街などがある石垣市中心市街地の一角にスカイブルー一色の壁が目を引く怪しげな店が今回目当てにしていた「栄福食堂」だ。

新空港も出来てこれまで以上に本土からの観光客が多い石垣島、正直観光観光していてあまり土着的な雰囲気に乏しい石垣市の町並みに若干テンションを落としていたのだがその矢先にこの店を見つけてしまった。石垣島の迷店舗。その店構えは店主の過剰な自己顕示欲を感じさせてくれるに十分の貫禄がある。

石垣島 栄福食堂

平たく言ってしまえば八重山そばとやぎ汁が食える大衆食堂といった所だがその店の個性は少し近づいて見てみるとひしひしと伝わってくる。店主からのメッセージボードが店先の至る所に掲げられている。人生いろいろ何事も安全第一。何だか意味深だな。

石垣島 栄福食堂

そして最も気になるのがよく分からない男性の似顔絵と共に書かれた「新石垣名物トニーそば」の文字。トニーって一体誰やねんと。それは店の中に入って店主に聞いてみなければ分かりません。しかし随分とお値段お安めでございますわね。

石垣島 栄福食堂

それどころか店先には英文で店舗のアピールが入っている始末。世界で最も売れているガイドブック、ロンリープラネットで栄福食堂は3回取り上げられました、だなんて書かれている。出会を大事にしたい。今話題の栄福食堂。Youtube見てネ。こう見えて随分ワールドワイドな食堂のようだ。あまつさえ店の前の道は勝手に「トニーストリート」と命名している。

石垣島 栄福食堂

観光客の多い島で石垣牛だの何だの他にも食えるものは色々あって、敢えてここでこの店に入るという選択肢を選ぶ人間もたいそう物好きだが、今回石垣島で夕飯を食う機会は非常に限られている。さてどうしよう。

だが今ここで入っておかなければ一生後悔しそうな気がしていた。開け放たれた店内からはラジオの音声が漏れていた。南国らしい開放的さだ。よし入ろう。

石垣島 栄福食堂

玄関先には子猫がべったり寝転がっている。ゆるい。これ以上伸びないくらいに伸びきっている。警戒感ゼロである。

しかし店の中に入っても店主はおろか客の一人もいないので若干キョドり気味に店内を見渡すと目の前のテーブルには大量の記念ノートと呼び鈴が置いてあった。これで呼べというのね。壁にはこれまた大量のポスターと店主ご自慢の自家製ピパーチ(島胡椒)をPRする幟が掲げられていた。

石垣島 栄福食堂

目の前の呼び鈴を鳴らしてしばらくすると、壁の幟にある自画像のオッチャンと同一人物な店主(当然ながら)が勢い良く店の奥から飛び出してきた。なんか物凄く元気だ。どこから来たの?と聞かれて東京からと漠然と答えたら「若い時には桶川で焼き鳥屋台やってた事があるから関東の事も詳しいよ」と聞いてもいないのに昔の話が出てきた。我々のような旅行者との会話が凄く好きな方らしくとにかくよく喋る。

石垣島 栄福食堂

おまけにメニュー表までご主人の顔付き。個性を見せつけられますなー。トニーそば、八重山そば、ヤギそば、ヤギ汁、あとはゴーヤピクルスなど自家製おつまみも一通り揃っている。トニーそばと八重山そばの違いがよく分からないのだが、八重山そばに豆腐が乗るか乗らないかの違いらしい。

石垣島 栄福食堂

店中の壁にベタベタ貼り付けられたポスターにある人物は昭和の映画俳優・赤木圭一郎だ。栄福食堂の主人は「赤木圭一郎を偲ぶ会」のメンバーらしく昔からこの人が好きだったようだ。トニーそばの「トニー」というのもこの人の事なのね。石原裕次郎や小林旭と並ぶ昭和のスターだった人物だが不慮の事故で若死にしている。

石垣島 栄福食堂

トニーが赤木圭一郎なのは分かったけれどもそれと同じくらいに店主の自画像がそこかしこに貼り付けられている。若い頃は赤木圭一郎にクリソツだったとかそんな訳でもなさそうだが、このオッチャンが石垣島のトニーを自称されている。映画館で赤木圭一郎を見て憧れてしまったのが全てのきっかけらしい。

さらに栄福食堂オリジナルTシャツまでもが…誰も買いそうにないのかTシャツのビニール包装がヨレヨレになってしまってマジックで「500円」と直書きされてしまっている。誰かに買われる時は来るのだろうか。

石垣島 栄福食堂

トニーの映画ポスターなどと共に掲げられていたのは、ご主人が若い時にマグロ漁師をしていた時期の写真だったりする。マグロ漁船の漁師など893なネタしか脳内に浮かんでこないんですが…

10代の頃から20年余りマグロ漁船に乗って世界の海を跨いできたと武勇伝を語り出すご主人。桶川だかでやってた焼き鳥屋台もいつの話なのか知らんが結構若い頃はあちこち飛び回ってたそうです。人生濃ゆすぎ。その後地元の石垣島に戻って今の食堂を開いたそうだ。

石垣島 栄福食堂

結局「ヤギそば」を頼んでみた。何となくヤギ肉をガッツリ頂きたかったのだが期待以上にゴロゴロ肉が入ってて素敵。これで800円は安いよ。オヤジのキャラは濃いが肝心のそばはやや薄味気味だ。そんな時には卓上に置かれた自家製ピパーチを振りかければいいさー。

食ってる最中にご主人も散々自家製ピパーチの購入を勧めてくる。他の八重山そば屋に置いてるピパーチと比べてみたら分かる、ウチのは混じりっけなしだからと猛烈アピール。確かに舐めるとヒリヒリ舌に刺激が来る。ヤギ肉とマッチして野趣溢れる風味になりました。これと泡盛で決めてしまいましょう。

石垣島 栄福食堂

…結局買ってしまった訳だが(1瓶800円)
しかもここにもしっかりオッチャンの自画像が載っているという…意外に使い道は色々あって肉料理から麺料理、中華料理系統には良い。どこぞの食べるラー油よりもむしろこっちを石垣島土産に推奨したいくらいだ。石垣島訪問の際には是非栄福食堂へどうぞ。

トニーそば 栄福食堂

夜総合点★★★★ 4.2

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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