“透明人間の殺人鬼に注意”?!入間市仏子の山中に現わる謎の電波アトリエの怪

入間市

たまたまネット上で見かけた「透明人間の殺人鬼に注意」と物騒な文言が書かれた電波な看板に目が止まり、その在り処が知りたくて色々と調べたら場所が判明し、割と近い場所にあるので見に行く事にした。

入間市 仏子

それは西武池袋線で池袋から飯能行き電車に乗り40分少々で辿り着ける、埼玉県入間市にある仏子(ぶし)駅の近くに存在する。ここまで来ると所沢駅からでも20分近く掛かる。終点の飯能駅から2つ手前。とりあえず駅前には何もない。南口を使うと若干近いかと思われますね。

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仏子駅南口には武蔵野音楽大学の入間キャンパスがあり、そこに至るまでの道には至って長閑な住宅街が広がっている。しかし駅前は何もない。痴漢注意の看板がやたら多いのが気になる。このへん夜は真っ暗になりそうだし、そもそも埼玉だし。

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駅からの道順は複雑そうだが、とりあえず武蔵野音楽大学と「桜山展望台」と案内が出ているのを目印に進めば間違いない。駅から徒歩10分もあれば着くだろう。

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するとそのうち住宅街の先からハイキングコースの入口みたいなのが現れる。事前に掴んだ情報によると目的の物件はこの先にあるはず。

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ここから先は「加治丘陵」という丘陵緑地になっていて原始的な里山のハイキングコースが2.5キロくらい続いている。入口に車止めがあるので自家用車なんぞで来てしまった場合はこの先には入れない。近くにコインパーキング等もないので、なるべく公共交通機関をご利用下さいね。

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ハイキングコースに入りしばらく上り坂を進む。ようやく春めいてきて森林浴にも適した今ぐらいにハイキングは気持ち良いもんですがそこでのっけから現れる謎の白い巨人像の数々。一瞬不気味に映る。

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巨人像はかなりの大きさがあり4体並んだ像の全てが山の斜面に対して上を向いている。アート作品の一つなんでしょうかね…そしてその上にはぽつんと民家が一軒建っている。

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この巨人像の下に「透明人間の殺人鬼に注意」の文言が書かれた電波看板が設置されている。血を思わせる赤い文字で通りがかる人々を威嚇するかのように。看板が置かれているのはこの一ヶ所だけしかないが、十二分過ぎる程にゆんゆんしてます。山の中にこんなのがぽつんとあるという時点で怖いです。

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看板には「透明人間の殺人鬼」の特徴について事細かに記されている。(1)そいつはカギ開けのプロ。(2)そいつの使うもの「超音波」「マイクロ波」。(4)超音波でやられると寒くなりクシャミが出る、さらに記憶障害になったり病気にさせられる。(5)超音波+磁石?パワーアップ・これで打たれると意識を失う、死に至る(脳出血)。などなど。

しかもこの透明人間は「下の住宅にそいつが居る」と看板の主は明記している。そして「下の住宅は恐怖の町だ」とも。かなり警戒していると受け止められるが、さっき通ってきた長閑な住宅街はそんなに恐怖の町だったのか。

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おまけに足元にもう一つ掲げられた看板には「透明になる方法」が事細かに記されている。(1)薄いダイビングスーツのような物を着る。(2)電圧で温度差を作り出す。(3)マイクロ波をかける。といった感じで電圧やマイクロ波がキーポイントのようであり、つまり簡単に申せば「電波ゆんゆん」である。あれこれ注釈がつけられているが最後の一文が「スイソクである」という所で途端に説得力を失っているのが笑える。

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それにしても下の住宅の住民に対する敵意を剥き出しにしているのが気になる。「二重人格のき◯がい野郎だ」とも。えー、どっちが基地外なのか分かりませんけどね。他にも民家の塀に落書きがされている写真が何故か貼り付けられていたが、これはさっき通ってきた下の民家のものだ。特に下の写真、赤いスプレーで「SGI」と書いてあるのが辛うじて読めますね…エス・ジー・アイですか。意味深ですね。

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で、「透明になる方法」についての情報を補足するかのような新聞記事の切り抜きなんかが貼り付けられていてなおさら不気味さを誘う。ピンクレディーの「♪透明人間 あらわる あらわる」がさっきから脳内をリフレインしまくっているのですが、そもそもネタが古いし、同じ埼玉発の「ボディを透明にする」が口癖なアフリカケンネル店長のやり方だと本当に透明人間が作れそうですよ!

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そんな電波看板から少しハイキングコースを登ると坂の上の家屋とその玄関、さらにもう一体の巨人像が待ち受けていた。もはやこっちのボディが透明にされそうな勢いの怖さがあるんですが、家の中から何かの作業をしているのか、コンコンギリギリといった木材を叩いたりしている音が静かな山の中に響いている。これで十字架や電飾がついてたら完全に「冷たい熱帯魚」の世界である。

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反対側の山肌には休憩所と貸本スペースのようなものが置かれていてこれはハイキング客へのもてなしなのかはたまた罠なのか…

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巨人像の足元まで来てこの家の正体が分かった。アトリエ兼自宅として使っている個人宅のようなのだ。ただの電波住宅って訳でもないんですね!

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どうやらこの山の中にぽつんと建てられた民家の中で電波看板の主はひたすら表現活動に打ち込んでいるようである。アートに理解のない周辺住民を嫌うかのようにこの場所で暮らし続ける芸術家…そんな風に見受けられたが、違わないだろうか。

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そしてこのアトリエは野外劇場を兼ねているそうで、謎の白い巨人像もとい「女神像」が立ち並ぶ広場を表現行為を行いたいアーティストの為の貸会場としても提供している。使用料1日500円だってさ。ちなみに「外国人を排斥するもの、差別主義者、日本がアジア諸国に対して行った侵略戦争を賛美するもの」は会場の利用ができないそうなので右翼団体の方はご利用を控えた方が宜しいかと思われます…

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…という訳で「透明人間の殺人鬼に注意」の電波看板がある場所は芸術家による表現活動の場であった事がよく分かりました。茨城のケネディ電気みたいなもんだと思えばいいか…お近くの方は「表現行為」の一環に訪れてみては如何でしょうか。マイナーな場所であんまり有効活用されていないようなので、お勧めします。


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