戦後の赤線地帯が廃墟化してヤバ過ぎる異空間状態。今治駅前飲食街を訪ねる 

愛媛県

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今治市 今治駅前

それ以上にキテたのが八百屋のある路地とは違う、左側に並行しているこちらの路地。もはや飲食街の名称すら不明な一画だが、こっちを見ると「台湾料理飲茶料理 サントリースナック碧空」と立派な看板を掲げたアーチが入口にある。

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この路地を入った所にある「碧空」は地元では老舗中の老舗で名店。昭和25(1950)年からずっとここで店を開けているというのだから街の生き字引みたいなもんですな。看板の「純洋酒喫茶」という表現も、周り一帯が「不純」なカフェーなのでわざわざ改めて書いてるのも赤線地帯らしい。

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店構えもこれまた乙過ぎて素晴らしい。現在の「碧空」のマスターは2代目だが、初代マスターは台湾出身、蒋介石の下で働いていた事があったとか何とかで、随分DEEPな経歴の持ち主だという。現在の今治でも珍しい台湾料理店である。

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そんな老舗で有名な台湾料理スナックがある赤線地帯の長屋を見ると…凄まじい荒れっぷりを見せる廃墟のオンパレードが続いていた。これはヤバイ。時の流れに身を任せていてもはやテレサ・テン状態。

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割れた玄関窓から中を覗きこむと、廃業した酒場のカウンターが見える。純和風な造りの内装。カウンターの上には、主を失ったギターが埃を被ったまま置かれていた。

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スナック「クィーン」の看板も崩落したまま放置。家財道具も玄関周りに散乱して、錆びきった二階のバルコニーの隙間などからコード類が垂れ下がってホラーな状態になっている店舗跡。

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しかも建物の隙間に目を配ると意味深な隠し階段まであったりして意味不明である。やっぱり女給さん入用な隠し階段だったんでしょうか知りませんがデブは通れないぞこれ。それにしても昭和33年にきっちり商売を辞めていたならば、妙に生々しさが残る。その辺は疑問に思うのだ。

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そんな糞怪しい路地の突き当たりまで行くと何故か少林寺拳法の道場があったりカオス過ぎるんですが、こんなオンボロ家屋で少林寺拳法やっても家が壊れたりしないくらい一応丈夫には作られているのかな、と思ったり。

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少し離れた場所にもスナック店舗が密集している濃ゆそうな路地が残っていた。こちら側も負けず劣らずの鄙びっぷりでお腹いっぱいである。雰囲気的にはこれも駅前赤線地帯の一部だったものであろう。

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「お茶漬スナック道草」の看板を隠したつもりが全然隠れていないというかつてのスナック跡の民家。まだどなたかお住まいのようでした。

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殆どの店は廃墟のまま朽ち果てるのを待っているだけという…もはやみちくさできない程寂れてしまって、現役当時を知ることができない世代に生まれてちょっと損した気分になる。ギラギラした盛り場の風景というのは、もう愛媛県内では松山くらいでしか見られないのか。

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突き当たりの廃墟スナック店舗も恐ろしく狭い間口にむりくり作られているのが何とも昭和の貧しさを感じさせる。 どう見ても「家と家の隙間に作りましたが、何か」的な佇まいである。玄関周りがガラクタだらけになって放置プレイですけど。

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とにかく駅前一等地がこの状態というのは凄かった。丸亀駅の裏もそうなんだけど、四国の駅前風景ってこういうの普通なんですかね。兎にも角にも今治は素敵過ぎる街でした。また来たい。


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