沖縄の離島「伊計島」 (2) 空き缶ハウス

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引き続き、車で行ける沖縄の離島、伊計島から。
人口約350人、周囲7.5キロしかない小さな島の中心集落は、歩いて回れる程狭い。
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集落と向き合う砂浜に通じる道。殆ど車も人も通らず、ただ静寂が支配している。もはや限界集落の予兆すら感じられるが、旅行者にとっては非日常性を高める演出の一つに過ぎない。


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しばし集落内の路地を歩き回る事にした。それなりに民家の数が多いが、住んでいる気配があるかどうか分からない家も多い。車が通るのも憚られるような狭い路地しかないのは離島だった頃の名残りか。
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しかしどこの民家の塀にも、突き当たりとなる場所には必ず石敢當と書かれたブロックが置かれている。
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どうやらここが伊計島唯一の共同スーパーらしい。離島や本島北部の過疎地帯などに行くとこの共同売店(共同店、共同スーパー)が唯一の物資調達手段となる。こうした店は集落の住民が共同出資した上で経営している。利益のために作られるコンビニとは真逆の存在。
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このような離島ならば、あるのは一軒家だけかと思ったらそんな事はなかった。市営住宅もあるのだ。これは意外だった。都市部にある団地とは大違いで窮屈さが全くない。ちなみにここから伊計大橋や海中道路などを経てコザの街中まで約1時間で出られる。
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色々と民家が密集している集落の中でもこのお宅が一番個性的だった。家屋自体はとりわけ特徴はないが、手前の塀や門扉あたり、やけにDIY感が漂っている。トタン塀というべきものか。しかもブロックで押さえているだけだし。
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でも一番笑っちゃうのがこの自家製玄関。ビールの空き缶をくっつけて積み上げられただけという…さぞかしご主人はビールが好きでしょうがないのだろう。
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数字の刻まれた扉は昔テレビで流行った筋肉番付のストラックアウトを意識したものか。多分ビールだけじゃなくてテレビと野球も好きなのだ。
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そりゃ沖縄でビールと言えばオリオンビールである。このゲートを形作るのに約150個くらいは空き缶を使っているように見受けられるが、全缶オリオンビールで統一されている。そこはブレない沖縄人。
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得てしてこんな個性的な玄関周りにしてしまう主人というのは何でも自分で作るのが好きでしょうがない人なのである。交通安全の看板から車椅子を改造したよく分からないものまで…
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やはりビールの空き缶で作られた勝手口の扉の向こうにもいろんなものが見えている。気にはなったが、結局外から眺めるだけでやめておいた。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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