保見団地の中央にある広場は、小さいながら街の中心らしくショッピングセンターのようなスペースがある。しかし街の活気というものは皆無で、時折ちらほら見かけるのはポルトガル語をしゃべる日系ブラジル人の姿ばかりという状態。
一応「保見団地商店街」という名称もある。ここは日本なのかブラジルなのかさっぱり分からない。
昔からやっている「日本人系」の和食や寿司屋の店舗もあるにはあるのだが、隅っこの方で縮こまっているような感じだ。
それよりも目立ってしょうがないのが、店の表にポルトガル語のPOPが派手に並ぶブラジリアンスーパー「The Amigos」。東海地方の各所にブラジル食材を扱うスーパーマーケットを経営している。
店の雰囲気は外観も中身も完全にブラジルである。まさにパスポートのいらないブラジル。地球の裏側の光景がまさか愛知県で見られるなんて。
パンのコーナーにはブラジル人が好んで食べるもちもち一口チーズパン、もとい「ポン・デ・ケージョ」が売られている。
「The Amigos」の前にベタベタ貼られまくっているポルトガル語のポスター。「LUAU DE TAJIMI」と書かれているが多治見は保見団地から車で1時間近い場所にある岐阜県東濃地方の街だ。
多治見、可児、美濃加茂といった岐阜県方面も同様に日系ブラジル人が多く住んでいる。
どうやらポスターの内容を見る限り、夜通し踊り明かす日系ブラジル人向けのライブイベントのようだ。
スーパーマーケットの前がちょっとしたインフォメーションセンターのような状態になっている。ポルトガル語では何が書いてあるのか意味不明である。言葉の壁って大きいよね。
「The Amigos」の向かいには「Foxmart」というスーパーもある。こっちは元「名鉄パレ」という普通の食料品スーパーだったのだが、日本人住民が減ってきたのかして撤退、その後に入ってきたのが日系ブラジル人資本のスーパー。
ちなみにこの建物内には日系ブラジル人の生活を支援するNPO団体「保見ケ丘ラテンアメリカセンター」の事務所もある。
店の中に入ると、ドリンクコーナーにはひたすらガラナドリンクの山。
ガラナはブラジル人の国民的飲料。炭酸がバリバリ効いた飲み物で、感覚としてはコーラみたいなもんである。いろんなメーカーの飲み物が置かれているが、揃いも揃ってガラナばかりで笑える。
あと、保見団地商店街の近くの溜池付近にも日系ブラジル人が勝手に掘っ立て小屋を建てて飲食店を経営している箇所もあってなかなかカオスだった。