札幌定山渓・廃墟と化す「北海道秘宝館」

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かつては札幌の奥座敷にある手軽な温泉地として栄えた、札幌市南区の定山渓温泉。その一角に北海道を代表する性愛の里「北海道秘宝館」がある。

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札幌市内から国道230号線を延々と走らせていると温泉街の手前のトンネルを抜けた先に現れる北海道秘宝館の看板が目印。実に分かりやすい場所にある。昭和55(1980)年に完成した施設で、伊勢の元祖国際秘宝館や熱海秘宝館などとも肩を並べる程の存在。

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しかし現在ではあまりにも無残な姿に変わってしまっていた。もはやどう見ても廃墟です本当にありがとうございました状態。2階建ての秘宝館の建物には焼肉レストランや土産物店が入居している。

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2007年頃から老朽化や道路拡張の為とか収支不足だの色々な理由で閉鎖話が出ていたらしく、不定期営業体制に変わっていたそうだが、2010年に貴重な展示品の数々(マリリンモンロー人形とか)が盗難に遭ってしまったせいで閉鎖が決まったというのだ。

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そんな秘宝館の入口で来訪者を暖かく出迎えてくれる観音像も、この廃墟の前では悲しげな表情をしているようにも見える。昭和55(1980)年の秘宝館の誕生と同時に設置された観音像である。

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観音様の前にお供え物を置くスペースがある。廃墟となっても信仰心は絶える事がないようでまだ綺麗な状態の生花が手向けられていた。

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その横っちょには急に俗っぽい看板が置かれていて笑ってしまう。「テレビ朝日アフタヌーンショーで証明された御涙観音」とある。アフタヌーンショーっていつの番組やねん…って感じですがこんな看板がそのまんま放置かまされてる辺りも昭和臭全開でいい感じであります。

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なぜか「御涙観音」と名付けられた名前通りの物悲しげな観音様は未だに廃墟となったこの土地で道行く人々に視線を向けている。看板の証明されたというのは「涙を流す観音様」として証明されたという意味らしい。「やらせリンチ事件」で打ち切りになった番組に証明されても有難味ない罠。

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観音様の後では檻に閉じ込められたまま必死で何かを訴えているようなキングコングさんが鎮座していらっしゃいます。

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併設されている焼肉レストランや土産物店は北海道秘宝館の本体が閉館する以前から既に廃墟化していたらしい。「レストラン」の看板の文字がずり落ちていて間抜けさを誘う光景だ。

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テント屋根がボロボロに崩落した「おみやげの店」、中を覗くとパンダ人形が何体か残ったままになっていた。なぜ秘宝館の土産物屋にパンダがいるのか関連性は不明。

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気になる秘宝館の入口はヤンキーどもに落書きされながらもほぼ完全な形で残っていた。入場料1500円だったらしいが、閉鎖前には展示物の故障などを理由に1000円に値下げされていたようだ。しかし暴走族が書いた割には不気味なセンスの落書きだな。

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めくるめく性愛の里、その入口には案内看板がまだ残っていた。このラインナップを見ただけでお腹いっぱいになりそうです。和合観音、白蛇神社、カジュラホ遺跡のレリーフ、道祖神、今の時代なら動物愛誤団体が噛み付く事必至な交尾中の動物剥製、さらに黄金のパラダイス「パラドーム」とは…

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玄関口までは辛うじて見る事が出来るがその奥は闇に包まれていて人の立ち入りを拒んでいた。既に天井などが崩落を始めていて廃墟っぷりに磨きが掛かっているようだ。本当にどうにかできんもんなのか。悲しいね。

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玄関口の片隅には「六根霊石」なる展示物が打ち捨てられていた。今どきに言う所のパワースポット的な石だろうが場所が場所なら扱い方が酷いもんだ。一見エロとか関係なさそうに思えるが、よく見たら石の中央にもっともらしい割れ目が出来ている。

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土産物店の壁には全国都道府県の旅行業協会の協定業者を示す看板がずらりと並んでいる。青森だ新潟だ埼玉だ愛知だと色々あるけど、個人旅行しかやらない我々取材班にとって旅行業協会の存在って意味がよく分からない。まあ天下りシステムの一環みたいですけどね。

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しかしこの旅行業協会の看板があるって事は秘宝館なんぞが正規の観光コースに入っていた訳だよね。今よりセクハラだのに五月蝿くなかった時代の話、慰安旅行のついでにおふざけで秘宝館行こうぜとオッサンどもが観光バスで乗り付けてくる訳だ。胸熱。

昭和の遺物として時代の流れに呑まれるかの如く全国各地の秘宝館は軒並み閉鎖に追いやられている。北海道秘宝館(2010年)の他にも伊勢の元祖国際秘宝館(2007年)、そして九州の有力勢であった大分の別府秘宝館も2011年5月に逝った。

この荒廃しきった北海道秘宝館の廃墟は、エロをエンターテイメントとして、また芸術として楽しんできたはずの日本人の文化力の衰退を象徴しているように思えてならない。

参考ページ

北海道秘宝館(荒川HP)

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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