【知られざる食文化】サメの肉を「ワニ」と呼んで食べる街!広島県三次市でワニ料理の数々を頂きました

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広島県の観光と言えばもっぱら瀬戸内側にばかりスポットが当たるのが常で、原爆ドームと宮島を見てお好み焼きを食べるのが鉄板コースになっているものの、三次や庄原という街がある県北部は全くもって忘れ去られている感がある。広島県北部を地図で見れば中国自動車道が東西に走ってはいるが、瀬戸内側から見ればむしろ島根県側の方が近いというお土地柄。だから食文化も全く違っている。

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今回やってきたのは広島県北部を代表する街「三次市」である。そもそも三次と書いて「みよし」と読む事自体難易度が高い上に三次市を代表する出身者が「お笑いマンガ道場」の司会として有名だった元参議院議員で元アナウンサーの柏村武昭氏だったり、初心者が楽しむには色々ハードルが高そうな街なのである。

そもそもここをご覧の方々、お笑いマンガ道場、知ってます?あとそこに去年逝去された川島なお美さんがレギュラー出演していた事も。

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ともかく、三次をはじめとする広島県北部では「サメの肉が『ワニ』と呼ばれて昔から食されていた」という話に俄然興味が湧いてしまったのだ。見ても分かるが三次・庄原といった広島県北部は相当な内陸部にあり、海の幸にはさぞかし乏しかったであろう土地柄である。今でもサメ肉がワニと称され売られているのか、まずは街の中心部にある土着スーパー「三次フードセンター」で確認してみる事にした。

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すると普通に鮮魚コーナーにはお刺身用の「ネズミワニ」が陳列されているではありませんか。現地人以外の方々は「ワニ」は全て「サメ」に置き換えて頂ければ結構です。つまりネズミザメという種類の鮫の一種ですね。何故この地方にだけこんな食文化が残っているのか?!

そしてサメの事を「ワニ」と呼ぶのは日本神話の古事記「因幡の白兎」にサメが「和邇」と表記されている事に基づいており、山陰地方や広島県北部地方のみこの呼称が残っているのだ。

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しかし「三次のワニ料理」として外食店で提供している店はというと、ネット上で探してみても市街地にある「むらたけ総本家」か、あとはこちらの派手な看板を掲げる「フジタフーズ」の二軒くらいしか出てこない。前者の店舗はセットメニューの御膳に小さなワニ刺身が乗るだけなので、あまり食指が伸びない…という訳で…

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三次市街地から外れた中国道三次インターの南東、廻神町にある「フジタフーズ」を訪問。「仕出し・弁当・総合食品」と看板にあったので、もしかしたら食品工場か何かか?と思ったが、来てみると地方にありがちなのんびりした佇まいの食料品店といった外観。

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しかし目を引くのが店舗前や駐車場にこれでもかと立てかけられた店舗オリジナルのワニ料理をアピールする幟の数々。ドエライ気合入りまくりである。ワニドッグにワニバーガーにワニまんにワニプリンですか…

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この一般的にはあまり知られていない「三次のワニ料理」を世間に広めるべく様々なワニグルメを研究しているのがこちらのフジタフーズ様である。まあ、平日に行ったのもあったので我々の他に客もおらんですが、お邪魔しますね。

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店舗自体は普通に街の食料品店といった佇まいで、ワニ料理以外にも一般的な食料品店の品揃えで惣菜類も豊富に取り扱っている。ところでワニ料理は店のどこで食べられるのか?とウロウロしていたら、奥様が隣の食堂に案内して下さいました。ああ、隣にあったのね…

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という訳で食堂にピットイン。ここの壁にもオリジナリティ溢れるワニ料理のメニューの数々が…

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あまりに色々とメニューが豊富なのでどれにしようか結構悩ましいんですが、やはり一番手としてワニ肉の基本を味わえる「ワニのお刺身」は行っといた方がいいですな。冷凍モノは一切使用しておりません!とあるように、状態の良いワニが入荷している時のみオーダー可能。

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今回は運良く「ワニ刺」にありつけた。見た目はビントロまぐろのようなビジュアルで、これを生姜醤油で頂く訳ですが、食ってみたら鶏肉とビントロの中間のような旨味と食感で、かなりイケる。目を瞑って食っても全く違和感なし。

正直、食う前まではサメの肉のイメージが湧かず、世界屈指の臭い食べ物として有名な韓国のホンオフェ(ガンギエイの刺身)で知られるエイの仲間という事もあって、身に尿素が含まれている故に独特のアンモニア臭がするのかと思っていたが、そんな匂いも一切ない。これは意外だった。

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続いて「ワニチャーシュー炙り丼 ワニ皮入りのお吸い物付き」。これもイケる。

現在広島県北部で流通しているワニ肉は冷蔵や輸送の技術が向上したゆえにアンモニア臭がせず、主に宮崎県産や宮城県産のものが使われているが、かつては島根県の日本海側の漁港から「ワニの道」と呼ばれた道を通じてせっせと広島県北部に運ばれていた訳だ。

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さらにフジタフーズ渾身の創作メニュー「ブラックJAWJAW麺」。三次産米粉麺使用、ワニの身とコラーゲンが上に乗ったジャージャー麺風。

サメ肉独特のアンモニアは鮮度低下と共に発生し、そのアンモニアの為に身が腐りにくく、時間を掛けて輸送しても食べられる魚肉として、従来生魚が食べられなかったこの地方で珍重されるようになった。そして古い世代の間では「臭いワニの方が旨い」と考える人もいるらしい。

あと宮崎県の一部や、日本一のフカヒレ生産地・気仙沼がある宮城県の一部なんかでも鮫肉食の文化はある。

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締めには「わにバーガー」も頂いておきましょうかね。ワニの身が刷り込まれたつくね風のパテにてりやき風の甘辛いソースが塗られ刻んだキャベツとレタスの葉で挟んでいる。

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包装紙に貼られた、何とも創り手の愛を感じさせる「わにバーガー」オリジナルステッカーといい、すこぶるハンドメイド感が良い。

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これだけ色々食ってさらにデザートに「わにプリン」まである至れり尽くせりっぷり。もちろん普通のプリンではなく、ワニ脂肪分で出来たコラーゲンゼリーが中に詰まっている。

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見ての通り、瓶の底の方にコラーゲンゼリーが入っているのが確認できよう。まさしくこれが「三次でワニづくし」…腹一杯になりました…

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広島県観光大使の有吉弘行さんが見守る中で頂く広島裏名物ワニ料理の数々。そう言えばテレビにさっきからこの店が紹介されたテレビ番組の数々がエンドレスで流れているんですが、黒柳徹子さんがむしゃむしゃ「わにプリン」食ってました。

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フジタフーズさん、かなりテレビの露出度が高いようで芸能人やアナウンサー各位のサイン色紙がずら~りなのですが、未だにマイナーな立ち位置にいる鮫肉の普及に余念がないご主人の熱意が凄まじい。

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他にも池袋サンシャインシティのナンジャタウンにわにプリンを出品した事があるとか、どんどんブログで宣伝してくれとか色々と熱っぽくお話されていたので、当ページで遠慮無く宣伝させて頂きました。ワニ肉普及に微力ながら加われれば幸いである。とは言え、やはり三次は遠いですが…


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。
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