原発事故警戒区域最接近2012・双葉郡広野町 (2)

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2011年3月11日の東日本大震災によって起きた東京電力福島第一原発の事故によって、第二のチェルノブイリ、この日本の国土においても人が住む事のできない「死の大地」が出来てしまった。わずか東京から200キロ少々しか離れていないこの土地が現在どうなっているのか確かめたい一心で、常磐道をぶっ飛ばして警戒区域手前の双葉郡広野町までやってきた。

広野町は震災から半年経った2011年9月に「緊急時避難準備区域」の解除を受けて、徐々に町外に避難していた住民が戻りつつあるという。ここはJ-ヴィレッジに近い広野火力発電所の大煙突が見える国道6号脇の民家の前。



この民家には現在も人とワンコが住んでいる。緊急時避難準備区域解除後に戻ってきた住民の一部と思われる。近くにある病院が見回りにやってきていた。我が家で暮らせるようになったとは言え、街の機能は大半が失われている。こんな場所で以前通り生活を続けるのは厳しいだろう。

この近くを走る国道6号は片側2車線分が地震のせいで部分的にぶっ壊れていて残りの2車線のみ使われている状態。

道路が土手から根こそぎ崩落している。復旧工事をする気が恐らくないのだろうな。あんまり車も通らないだろうし。

どこまで行けるか、国道6号を警戒区域に向けて走っていく。やはり作業員の車両が多いようで車は頻繁に行き来している。

すると楢葉町の入口あたり、道の駅ならは前の交差点で警察の検問に遭う。検問に居た数十人の警察官は大阪府警から派遣されてきた警官ばかりだった。今も福島県警だけでは手が足りず、他府県から警察が応援に来ている。
大阪弁丸出しの警官から案内を受ける。もちろん許可証がない車両はここでにべもなく追い返される。我々もさすがに警戒区域に入るつもりはなかったので、その場で引き返した。

警戒区域に最も近いファミリーマートJヴィレッジ前店。災害復興作業員の貴重な食糧基地である。ここで買わなければ最後、警戒区域内は全く店も何もないため大繁盛だ。緊急時避難準備区域解除後の2011年9月に営業再開している。

国道6号沿いにある広野町役場。原発事故後は住民が多く避難したいわき市に役場ごと移転していたが今年3月から元のこの場所で業務再開とのこと。緊急時避難準備区域が解除された2011年9月以降半年近くが過ぎたが町に戻った住民は1割もいないそうだ。

続いて訪れたのが常磐線広野駅。震災後7ヶ月経過した2011年10月10日より営業再開している。それまでは手前の久ノ浜駅から代行バスが走っていた。「警戒区域に最も近い駅」である。

常磐線は現在も広野駅から原ノ町駅までの区間が運行されていない。この先再開する目処は全く立っていない。ちなみに駅舎の中には駅員のおじさんが一人待機している。無人駅という訳ではないようだ。

広野駅構内には仮設ホームが新しく作られている。運転再開したものの本数は以前の半分ほどで電車は2時間に一本しか発着しない。街にそれほど人が戻っていないせいで利用者は極端に少ないようだ。

肝心の駅前は人の姿は誰もいない。駅前に数軒立っている飲食店も全て閉まったまま。作業員を乗せて走るマイクロバスが数台、奥の駐車場に待機している。

駅前の商店街もゴーストタウン同然となっている。復興?なにそれ?と言わんばかりの状況。駅前付近も空間線量は0.3マイクロ程度である。警戒区域に近いJ-ヴィレッジ付近よりは若干低くなる。

それでも広野駅前の商店街を見渡すと、全く人が居ない訳ではない。向こうの方に住民の姿が見える。

自転車置き場には原発事故後避難してきた住民が乗り捨てたであろう自転車が何台も放置されていた。サドルとかハンドルがサビだらけになってるし。これを「死の街」と言わず何と言うんだろう。こんな現実を見せつけられたら「がんばろうふくしま」とかとても軽々しく言えない罠。

報道写真全記録2011.3.11-4.11 東日本大震災
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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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