総工費380億、門前町が廃墟同然、ピエリ守山も真っ青!バブル時代の宗教聖地「越前大仏」参拝記 (全2ページ)

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福井県勝山市はただでさえ知名度マイナーな福井県の中でも山深い奥越地方に属していて、冬は豪雪地帯にもなる。土地勘が無ければ何があるのか意味不明な地域でもあるのだが、恐竜マニアの間では「福井県立恐竜博物館」という聖地があって勝山自体の知名度はさておき有名な存在である。この勝山に生まれた実業家が自らの財産を投げ打って故郷に錦を飾るがの如くぶっ建てた「越前大仏」という宗教聖地をいつか見に行きたいと願っていた。

勝山市 越前大仏

越前大仏は恐竜博物館と共に勝山市の観光名所として一応挙げられているものの、訪れる観光客は滅法少なく、広大な面積に建てられた五重塔や大仏殿(金堂)といった建物があまりに豪華過ぎて周囲から相当浮いて見える。勝山市街地に程近い一画、駐車場に入る手前の道から既にヤバイ事になっている。兵庫県の山奥にある無量壽寺を彷彿とさせる異様なテンションだ。

勝山市 越前大仏

見方によっては悪趣味なバブルの産物だとか税金対策だと白い目を向けられる事も多い越前大仏だが、そもそも設立経緯からして特殊で、タクシー会社の創業者が事業成功によって得た資金を元に宗教聖地を一からまるごと作り上げてしまったというのだ。総工費はなんと380億円。バブル絶頂期である昭和62(1987)年に開眼供養が行われて以来「大師山清大寺」の名称で、後の2002年に臨済宗妙心寺派の寺院として宗教法人格を取得している。

勝山市 越前大仏

まずビジュアル的にヤバイのが門前町商店街の存在だ。奈良の東大寺をイメージした造りで当初は日本屈指の観光名所にしようと息巻いたせいで、無駄に豪華な商店街までこしらえたもののみるみる客足が途絶え、廃墟同然の状態になっているのである。福井県にもピエリ守山的なものがあったんですね。いやはや。正面の五重塔といい、無駄な豪華さが逆に悲壮感を奏でております。どうにもならんのかよ。

勝山市 越前大仏

本来なら土産物店や飲食店がズラズラ並んでいたであろう光景だが現在は自販機コーナーがぽつんと開いているのみ。一時期のバブルの発想でとんでもないものを作ってしまった感が強い。加賀市の「旧ユートピア加賀の郷」といい北陸はバブルでやらかした豪華な観光施設がやけに多い。

勝山市 越前大仏

ここのテナントなんかそのまんま「空」ですからねえ…もう見るまでもなく空っぽである。色即是空を体現しているかのようだ。380億円掛けても、その大部分が泡と弾けて無に帰ったかの如く。

勝山市 越前大仏

こちらは「合掌」。いつ頃お亡くなりになられたのでしょうか。チーーーーン。

勝山市 越前大仏

無計画に作られた門前町や巨大過ぎる建物の維持管理費は想像に余るものがある。案の定バブル崩壊後の1996年から納税が困難になってしまい、2002年と2004年にわたり土地と建物が差し押さえられ管理が勝山市に移管されている。当初は観光寺院として開業し宗教法人格を取得していなかったが、後に取得をしたのは税金対策もあっての事だろう。それでも厳しい資金難に見舞われ、土地や五重塔などの一部資産は公売に掛けられているが、未だに買い手が見つかっていない。

勝山市 越前大仏

かつてのお食事処も仏像達に占拠されていて飯を食う事もままならない。もう断食修行するしかないか…食事は参拝前に済ませておいた方が良い。

勝山市 越前大仏

自販機コーナーのスペースの2階に登る階段があったので、休憩所でもあるかと思って登ったが、全く使われている形跡がない。廃墟そのものである。

勝山市 越前大仏

そしてガラス窓に囲まれた2階に紛れ込んで出口を見失ったメジロのような小型の鳥があっけなく死んでました。…ああ無情なり…

勝山市 越前大仏

ピエリ守山状態な門前町商店街を抜けると、参拝券を売る窓口と、正面から巨大な南大門が姿を現す。気になる参拝料は500円で駐車場も無料なのだが、当初はこの参拝料が3000円、駐車場が1000円という高額かつ強気の価格設定で、たちまち経営破綻に直結、3000円から2500円、さらに1000円、800円にまで下落し、2007年から今の価格に落ち着いたようである。

勝山市 越前大仏

さすが恐竜で町おこししまくりの勝山市。マスコットキャラクターまで恐竜ですよ。チャマゴンにチャマリン。勝山は地元民には「かっちゃま」と呼ばれているのでこの名がついている。

勝山市 越前大仏

大量に売れ残った「チャマリンのぬいぐるみ」も1個300円でやる気なさそうにワゴンに詰め込まれていた。まあなんというか気の毒な恐竜さん達だ。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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