廃墟ステーションデパートが駅ビルだった二代目「電鉄魚津駅」在りし日の姿

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蜃気楼や埋没林ではなく寂れて鄙びて煤けた町並みを見たさに富山県魚津市という地方都市までやってきた我々取材班。JR魚津駅とは別に、富山地方鉄道(地鉄)の電鉄魚津駅というのがある。こっちの方が魚津における旧市街地に近い駅なので、ついでに様子を見て行く事にした。

ところが電鉄魚津駅の駅舎を見て驚いた。4階建ての立派なステーションデパートが駅舎だったのだ。駅の真ん前は「新宿商店街」だし、ここが確かに昔の街の中心だったと思わせるに充分の貫禄がある。

この駅ビルは地鉄の高架化工事に併せて昭和42(1967)年に建設されている。当時はさぞかし近代的な存在だったに違いない。改札口と駅ホームが3階にあり、1階と2階部分がデパートだったらしいがこっちは看板だけ残して廃業してしまっている。

かつてはデパートの商品や店舗などの案内でも掲示されていたと思われるショーケースは防災防犯関係のお役所のポスターが控えめに貼り付けられているのみ。しかもいつのポスターか分からんし。やたら古そうなんですが。

あと富山地方鉄道と言えば映画「RAILWAYS」ですか。これが地鉄駅構内の至る所でアピールされまくっているのだが、地鉄の各駅がロケ地になっている模様。RAILWAYSはシリーズものになっていてこの映画は2作目。ちなみに前作は島根県が舞台。

デパートは1998年に廃業した後閉鎖されて、現在は3階にある改札口に向かう階段だけが開放されている。45年ものの駅舎はレトロっぷりが半端ない訳ですが、ここは映画のロケ地にならなかったみたいだな。

「3F 電車のりば」としか書かれておらず他は全て消されてしまった看板。物悲しいね。よーく見ると「2F お酒とお食事 たいやき・たこやき」などと書かれていた跡がうっすら見えている。

3階に上がると階段の脇に男女別トイレ。なぜか紫色の看板が怪しげである。男は青色、女は赤色と決まっているのが気に食わないフェミプロ市民もこの色なら納得できるだろう。紛らわしいけど。

改札脇には結構な数のベンチが置かれている。現在でも通学時間帯には学生の利用はそれなりに多いようだが、取材班が向かったのは朝7時くらいだったので客は婆さんが一人しか居なかった。

待合用ベンチの隣にひっそり置かれた「有害図書追放白いポスト」だけが存在感を放っている。魚津市民からは有害図書扱いされてそうな沖田×華さんの「蜃気楼家族」を読んでそれが富山のイメージだったのだが(笑)一応教育県らしくこっち方面はうるさいようです。

明らかなキャパオーバーで一部分しか使っていない電鉄魚津駅の改札。一応駅員が常駐する有人駅にはなっているが早朝深夜には無人となる模様。

しかも最近になってICカード乗車券が導入されたらしく、それに伴い電鉄富山駅など一部の有人駅に「県内初の自動改札機が設置された」そうだ。富山県民はライバルの金沢より早い自動改札機設置に歓喜している模様。ちなみにSuicaとかICOCAはまだ非対応になっていて使えないのが痛い。

富山地方鉄道の運賃表。結構広い範囲をカバーしているのが分かる。運賃はかなりお高めになっているがしょうがないわな。電車に乗ってどこかに行くような予定もないので、改札前で引き返してビルを出た。

寂寥感漂う駅前風景。柿の木割り飲食街などがあるJR魚津駅前の方が明らかに人の数が多い。この駅前にも若干ながら味わい深い盛り場の残骸が残っているのだが今回は時間の都合で諦めた。

もう救いようがないなあ…という程の末期状態を晒している電鉄魚津駅前だが地元住民は在来線新駅誘致運動に一縷の望みを託している模様。一応地鉄に乗れば隣の新魚津駅でJR魚津駅と連絡しているが、旧市街地は取り残された格好だ。さてどうなることやら。

電鉄魚津駅前から連なる「新宿商店街」はかつての魚津の中心だった事を猛烈にアピールしているかのようだ。中心市街地が寂れた要因には電鉄魚津駅ビル開業から10年足らずで出来た「魚津サンプラザ」に客足を奪われた事が大きかったようだが、さらに郊外にアピタが進出した影響でそのサンプラザ自体も寂れているとの事。

新宿の名前をかたってはいるものの、目立った店舗は古臭さ全開のパチンコ屋くらいしかないという有様なんですが…伏見稲荷魚津大社が近くにあるからかして、商店街の歩道に設けられたアーケードの柱がみんな赤い。

「楽しい買物の街」と書かれている割には雀荘の看板だったりして楽しいギャンブルの街だろうとツッコミたくなる訳だが「蜃気楼家族」そのままの日常が繰り広げられていそうな魚津の街でした。

ちなみに新宿商店街から少し行くと銀座商店街というのもあるんですが魚津の人はさぞかし東京がお好きのようです。

<追記>電鉄魚津駅の建物は2013年1月から建て替え工事が始まり、現在は三代目の駅舎に建て替わってしまいました。よってこの建物も現存しません。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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