【ゼロ磁場】日本最強のパワースポットと謳われ人が殺到する長野県「分杭峠」に何があるのか (全2ページ)

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最近「パワースポット」という怪しげな言葉が独り歩きしまくっている。それは神社仏閣だったり大自然であったり、何かしら人の心に良い影響を及ぼす力の働く場所といった意味合いで使われているものと軽く思っていたが、中には「パワースポット巡り」にカルト的な熱狂ぶりを見せる人々もいる。本屋には「パワースポット本」が乱立し、東京では明治神宮がオススメだとか、鎌倉の成就院が良いとか、様々な情報が飛び交っている。

伊那市 分杭峠

しかし全国各地にパワースポットと呼ばれる場所が沢山存在する中で、日本最強のパワースポットと呼ばれている場所が長野県伊那市にある。その場所の名は「分杭峠」(ぶんぐいとうげ)。日本最大の活断層である中央構造線上に走る国道152号秋葉街道にある標高1424メートルの峠で、伊那市(旧長谷村)と大鹿村の境にある。活断層がぶつかり合う巨大なエネルギーが集まり「ゼロ磁場」が形成されていると言われ、中国の気功師が分杭峠の「氣場」を発見したとテレビ番組で取り上げられるやいなや、奇跡を求めて全国各地からこの峠を目指す人々が集まるようになったという、なんともオカルティックな場所だ。

世紀のパワースポット・分杭峠を100倍楽しむ本

ネット上で分杭峠について調べると、末期ガンが治ったとか、足が痛くて歩けなかったのがスッと痛みが引いて歩けるようになっただとか、何やら胡散臭い健康器具とか変な仏具とかを高いお金を出して買っちゃうような層の人達がよく話しそうな体験談がわらわら出てくる。なんとこの峠だけで一冊の案内本まで出来上がっている程、この分杭峠という場所はアツい。

伊那市 分杭峠

そんな分杭峠の氣場(ゼロ磁場)を体感するために当取材班、わざわざ長野県くんだりまで行って参りました。場所は駒ヶ根市から車で約30分、伊那市から高遠経由で約1時間、茅野市から杖突峠、高遠経由で約1時間半。東京、名古屋のいずれから来ても片道3時間以上は掛かる。結構な秘境だ。

伊那市 分杭峠

だが肝心の分杭峠へ向かうにも現地に車を止める事が出来ない。何故なら分杭峠への訪問者があまりにも多くスペースの限られた峠の駐車場が一杯になってしまい、狭い林道状態の峠道の安全が確保できないという理由で、麓に作った駐車場に車に止めて、そこからシャトルバスに乗って峠に行くように案内されるのだ。「氣場」じゃなくて東西線の「木場」なら家から近いんですけどねえ。

伊那市 分杭峠

駒ヶ根方面から峠道を登り国道152号に合流すると、かなり分杭峠に近い所まで来る事が出来るが、結局は延々と麓のシャトルバス乗り場まで戻らされてしまう。無理矢理車で峠まで行っても警備員に追い返されるだけで無駄足に終わる。

伊那市 分杭峠

しかし笑ってしまったのは、既にこの場所にも分杭峠のゼロ磁場関連の土産物屋の看板や、「ゼロ磁場の水」を販売する地元企業零磁場ミネラル水製造工場の看板を見かける事だ。もう完全に「パワースポット」が地場産業として定着しているようだ。

伊那市 分杭峠

峠道を延々と下って、麓のシャトルバス乗り場に辿り着いた。長野県でも特に秋葉街道という所は秘境中の秘境みたいな場所で、おいそれと気軽に来れるような場所ではないはずだが、それでも結構な数の観光客がいる。

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謎すぎる分杭峠ゼロ磁場土産とゼロ磁場観光施設の数々

伊那市 分杭峠

シャトルバス乗り場付近は分杭峠を訪れるパワースポット愛好家達を相手としたプレハブ建ての土産物屋まであるのだが、店の名前も「気の里」売店とネーミングまで既にオカルト気味である。

伊那市 分杭峠

気の里売店を見ると、様々なチラシが貼りつけられている。特に「ゼロ磁場の宿 入野谷」の気合の入りまくった広告が目を引く。ゼロ磁場の湯を使った温浴施設(瞑想室付き)、さらに「ゼロ磁場シリーズ」と銘打ったガラス細工の案内、そして売店にはゼロ磁場の水を使って作られたどら焼き「氣どら」や伊那名物のソースかつサンドを「氣サンド」と銘打って販売。ダメだ、分からない。ここは我々の理解の範疇を完全に超えている。そもそも「気」を旧字体の「氣」とわざわざ書いてしまうあたりがキテるぞ。

伊那市 分杭峠

さらに自動販売機には500ミリリットルペットボトル入り「ゼロ磁場の秘水」までもが売られている。隣の「いろはす」が120円なのに、ゼロ磁場の秘水は250円と倍以上の価格。やべえ。

伊那市 分杭峠

さらにシャトルバス乗り場から50メートル程離れた場所に、零磁場ミネラル株式会社の水製造工場と水販売所がある。ここにもさぞ有難そうに秘水を買い求める客が居る。ちなみに2リットル入りペットボトルは750円だった。ゼロ磁場パワーが何なのか知りませんが、間違いないのは秘境過ぎて何もないこの旧長谷村の経済を潤している事である。

伊那市 分杭峠

横付けされたワゴン車の車体にも、分杭峠とゼロ磁場の秘水を紹介する新聞記事がベタベタと貼りつけられているのだ。秘境の村でしかなくこれといって観光資源のなかった旧長谷村にとっては、パワースポットブームは歓迎すべき事態なのだ。

伊那市 分杭峠

恐らくは村人の生活を一変させた分杭峠の「ゼロ磁場」。よく分からんが分杭峠をテーマにした新曲やご当地新名物の「ドーナツ万十」まである始末。気の流れを含む神秘の味って何なんだ。もうゼロ磁場の前では何でもありだ。

分杭峠は車乗り入れ禁止。有料のシャトルバスでどうぞ

伊那市 分杭峠

そしていよいよ分杭峠行きのシャトルバスに乗る事になるのだが、バス乗り場の真ん前にあるプレハブ小屋でチケットを買うだけ。バスは有料で、往復一人650円(インターネット予約だと50円引き)

そして「ゼロ磁場の水」を持ち帰る為の水用タンクも販売中。よく見るとみんなでかいペットボトルなりポリタンクを持っている。これも分杭峠の「ゼロ磁場の水」を汲んで帰る為だ。いやはや凄いな。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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